応用生態工学会主催の現地見学会とフォーラム,「自然再生事業と市民活動 -霞ヶ浦・琵琶湖・宍道湖・中海-」を,11月2日(土)と3日(日)に,宍道湖西岸と松江市で開催しました.開催の趣旨は,自然再生のための市民あるいはNPOレベルでの取り組みの様子とノウハウ,あるいは活動を行う上での問題点・将来像などを含め,日本を代表する3つの湖を例に語っていただき,今後各地で始まる自然再生の参考にしようというものでした.

初日の見学会は国土交通省出雲工事事務所の水環境課に全面的にお世話になり,宍道湖西岸の植生護岸工事現場を訪れ,全国的にも珍しい竹ポットを利用したヨシの植栽状況を見学しました.「グリーンパーク」と宍道湖自然館「ゴビウス」も訪れ,宍道湖・中海水系で見られる水鳥や魚類について説明を受けました.

2日目のフォーラムには約100名が参加しました.午前中に,霞ヶ浦については「霞ヶ浦・北浦を浴する市民連絡会議」の飯島博事務局長に「自然再生事業におけるNPOの役割 ?霞ヶ浦アサザプロジェクトを例として-」と題して,琵琶湖については「びわ湖自然環境ネットワーク」の寺川庄蔵代表に「びわ湖におけるレジャー規制と市民の実験」と題して,そして宍道湖・中海については「斐伊川流域環境ネットワーク」の飯田幸一事務局長に「宍道湖ヨシ再生プロジェクトの取り組みについて」と題して,それぞれ話しをしていただきました.午後にはパートナーシップ委員会の面々を含めて討論を行ったのですが,配布した質問表に予想以上に多くの質問が書かれていたため,会場から生の声で質問を聞く時間が無くなってしまったのが残念でした.

今回のフォーラムに,センターは学会との共催という形で参加したのですが,自然再生は宍道湖・中海では今後ますます重要な課題になる可能性が大きいということで,いずれはセンター主催で同様の趣旨の討論会を行う必要を感じています.なお,当日の様子は米子の「中海テレビ」が後日放映する予定です.(國井秀伸)


域開放事業−八束中学の「総合的学習の時間」として中海で
 H14年度の地域開放事業として八束町の八束中学校で行っている「総合的学習の時間」と合流し,中海で水質や底質の調査を中学生達に体験してもらいました.センターとしては地域の学校カリキュラムと一体となった企画は初めてでしたが,八束町教育委員会や国土交通省境港湾事務所の協力で短い時間の中で有意義な実習を組むことができました.この企画は八束町教育委員会とも相談しながら来年以降も続けていく予定です.

説明を聞きながらメモをとる中学生
 
        採泥器の仕組みを学ぶ

フォーラム「自然再生と市民運動−霞ヶ浦・宍道湖・中海−」
       
松江で開催 汽水域研究センターも共催