謹賀新年

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新春恒例「汽水域研究発表会」が開かれました

 1月11日(土)に今回で10回目になる新春恒例の「汽水域研究発表会」が島根県民会館で開かれ,県内外から75名の参加があり盛況でした.
 午前中は科研費(基盤研究A2)「中海干拓中止後の汽水環境の修復および保全に関する研究」の中間報告会をかね,島根大学の研究チームを中心に10題の発表がありました.この科研費研究では従来の中海についてのデータをデータを整理しつつ,今後,環境修復と保全を行っていく上で不足しているデータ収集を目的に水質,底質,生物,環境修復技術,観測技術開発などのチームに分かれて調査・研究を行ってきています.平成13年度から3年間の予定で進めていますが,今回は中間年度のまとめと言うことでこれまでに得られた知見が紹介されました.
 午後は一般研究発表としてセンター協力研究員に登録されている学外研究者の関連研究も含めて22題の発表がありました.各地の汽水域における生物,地学関連の研究の他,関連学会での研究動向についても紹介されました.
 午前10時から午後6時までほとんど休憩なしのハードスケジュールでしたが,それぞれ興味深い話題に対して,熱心に討論が行われました.また,発表会終了後の「新年会」にも27名の方が参加し,さらに盛り上がった討論が夜遅くまで続きました.今回は講演申込者が多すぎて,時間制限の都合から数名の方にはご遠慮願ったほどでした.次回までに開催方式を検討し直し,今回にも増して充実した発表会にしたいと思っておりますので,ご意見ご希望をお寄せください.
 なお,今回の発表会の講演一覧を下記に掲載します.
講演番号をクリックすると要旨がご覧いただけます.
また,発表会のスナップ集はここをクリックしてください.

島根大学汽水域研究センター
2003年 新春恒例 「汽水域研究発表会」(2003.1.11.)

講演一覧

第1部  「中海干拓中止後の汽水環境の修復および保全に関する研究」中間報告

A01 大谷修司(教育学部)

 宍道湖中海水系における過去6年間の赤潮の発生状況について

A02 國井秀伸(汽水域研究センター)

 汽水域の海草コアマモの成長に対する塩分,光,水温の影響

A03 古津年章(総合理工学部),作野裕司(広島大学工学部),松永恒雄(国立環境研),高安克己(汽水域研究センター),下舞豊志(総合理工学部)

 汽水域環境のリモートセンシング:何が測れるか,どう使うか?

A04 清家 泰(総合理工学部)樋口智一(総合理工学部・福森亮子(総合理工学部・清水隆夫((株)クラレ)・鮎川和泰(環境システム(株))・高安克己(汽水域研究センター)・菅井隆吉((社)中国建設弘済会)・千賀 有希子((社)中国建設弘済会)・藤永 薫(総合理工学部・奥村 稔(総合理工学部) 

 DOに対する信憑性の高い連続計測技術の開発とその評価?中海を例として

A05 山下真司(総合理工学部)・瀬戸浩二(汽水域研究センター)・内山知憲(総合理工学部)

 中海の塩分躍層付近に濃集しているクロロフィルの日変化

A06 野村律夫(教育学部)・瀬戸浩二(汽水域研究センター)

 中海湖心部における水深別フラックスの年間変動

A07 三瓶良和(総合理工学部)・高安克己(汽水域研究センター)

 中海の底泥と環境変化

A08 高安克己(汽水域研究センター)

 潟湖堆積物コアからみた恒久的貧酸素水塊の形成条件

A09 相崎守弘・谷本憲久・横山夏奈子・山口啓子(生物資源科学部)

 中海自然再生湖岸の地形変化に関する研究

A10 高安克己(汽水域研究センター)・小林靖男(総合理工学部)・吉田洋子(汽水域研究センター)

 中海新生堆積物中の主要元素の分布特性(予報)

 

第2部   一般研究発表

 

B01 大塚泰介(滋賀県立琵琶湖博物館)

 斐伊川の珪藻群集:いくつかの注目すべき種、および群落の分布

B02 江原亮(教育学部)

 中海水系における赤潮生物Prorocentrum minimumと細菌群集の季節的消長

B03 小川俊輔(教育学部)

 汽水湖中海・宍道湖におけるProrocentrum minimumの形態変異

B04 上真一・中井忍(広島大学大学院生物圏科学研究科)・相崎守弘(生物資源科学部)

 中海本庄工区内の動物プランクトン現存量、生産速度は世界最高レベル:魚類種苗生産における餌としての利用

B05 荒木悟・國井秀伸(汽水域研究センター)

 塩性湿地の植物オオクグの繁殖生態

B06 高田裕行(汽水域研究センター)

 汽水域奥部の有機物に富む底質で優占する特異な有孔虫群 ?サロマ湖・浜名湖を例として?

B07 山口啓子・横山夏奈子・内田晶子(生物資源科学部)

 中海におけるアサリの生残試験結果と漁場再生への課題

B08 堀之内正博(汽水域研究センター)

 アマモ場と砂地における魚類群集構造の違いについて

B09 宮本康(汽水域研究センター)

 水辺域における種間相互作用と物質循環のかかわり

B10 吉柴伸一(総合理工学部)・瀬戸浩二(汽水域研究センター)・佐藤高晴(広島大学総合科学部)

 中海における過去3000年間の堆積環境の変遷

B11 田中秀典(環境保健公社)

 貝化石から見た中海の古環境変遷

B12 佐藤高晴(広島大学総合科学部)・遠藤 雅也(沼津市役所)・浜本雄司(広島大学総合科学部)・瀬戸浩二(汽水域研究センター)

 中海などの堆積物の磁気的性質

B13 村上俊介(総合理工学部)・高田裕行・瀬戸浩二(汽水域研究センター)

 阿蘇海における底生有孔虫群集とその形成過程

B14 角田大(総合理工学部)・瀬戸浩二(汽水域研究センター)

 阿蘇海における堆積環境の変遷

B15 徳岡隆夫(徳岡汽水環境研究所)

 TECHNO OCEAN2002への塩水楔観測システム研究開発グループ出展報告

B16 上野博芳・徳岡隆夫・西村清和・鈴木重教(徳岡汽水環境研究所)

 江の川の観測井における淡塩境界の1年間にわたる観測結果

B17 倉田健悟(汽水域研究センター)

 港湾の生態系を修復する技術の開発

B18 伊藤康宏(生物資源科学部)

 近代における宍道湖の資源利用ー新聞記事を中心にー

B19 浜田周作(汽水域研究センター・研究協力員)

 島根県の昭和38年豪雪について

B20 坂井三郎・IFREE4(IFREE)

 鹿児島県上甑島貝池の水、堆積物、〜無酸素海洋環境の理解にむけて〜

B21 瀬戸浩二(汽水域研究センター)

 南極の海跡湖の特徴とその形成過程

B22 坂井三郎・瀬戸浩二(島根大学汽水域研究センター)

 AGU 2002 Fall Meetingに参加して  -最近の汽水域関係研究の動向紹介-