自己紹介, Introduction

河 鎭龍(ハ ジンヨン) 博士, 非常勤研究員

Ha Jin-Yong Ph. D., Researcher

E-mail: habuio586@soc.shimane-u.ac.jp

韓国  Pusan National University 自然科学学部、生物学科卒業
日本  信州大学 地球生物圏科学専攻 修士課程修了
日本  信州大学 山岳地域環境科学専攻 博士課程修了

 2012年4月1日付けて非常勤研究員として雇用されました、ハ ジンヨンと申します。
 私は今まで様々な野外の生態系研究のプロジェクトに参加してきました。韓国の釜山大学の淡水生態研究室に所属していた時は学部1年生(1999年)から韓国の全国の河川、湖沼、山岳の河川とDMZ(Demilitarized zone)内のLTER(Long Term Ecological Research) 野外調査プロジェクト(主に水質及び魚、動物プランクトン、植物プランクトン群集の調査)に参加してきました。
 釜山大学を卒業し日本の信州大学の花里孝幸教授の研究室に留学してきてからは、諏訪湖と白樺湖の野外研究(水質、栄養塩の循環、動物プランクトン、植物プランクトン、アオコ、水草、魚のフィールドでの動態調査と生物間相互作用の解明するため実験室内での実験的な解析)をしてきました(2003−2011)。その間、日本で初めてバイオマニュピレーション(人為的生態系操作)が行われた湖である白樺湖の野外調査及び研究(水質、魚、動物プランクトン、植物プランクトン、水草群落の調査)も、2003年から現在まで担当してきました。
 白樺湖では、1997年から生態調査が行われており、2000年には水質改善のためワカサギを減らし大型ミジンコを増やして透明度を高める事を目的に魚食魚ニジマスを放流しました。その後、2002年までは水質改善の効果は見られませんでしたが、2003年からは期待されたバイオマニュピレーションの効果(プランクトン食性魚と植物プランクトンの減少、透明度の増加、大型動物プランクトンであるDaphniaの増加、水草群落の増加、栄養塩濃度の減少)が観測されはじめました。バイオマニュピレーション前の生態調査はもちろん、その後2003年から2006年までの続きの詳しい調査研究が行われなければ、その効果は検出できなかったでしょう。長期間の野外生態調査によってデータを蓄積し、生態系での変化をより早く把握できたため、バイオマニピューレションの水質及び水界生態系への効果は検出できました。
 最近はバイオマニピュレーション後増加した水草(主にコカナダモ)を用いて水草が出す化学物質の水界生態系への影響を調べていました。 今後は、宍道湖と中海の水環境改善のメカニズムを明らかにする研究を行う予定です。よろしくお願いいたします。
Keyword: Biomanipulation, Zooplankton, Phytoplankton, Fish, Macrophytes, Nutrients, Limnoecology