ニホンアシカ(アシカ科)は、カリフォルニアアシカの亜種で、かつては日本海西南部海域を中心に多数生息していた。しかし、江戸時代から明治時代にかけて大量に捕獲され、とくに日本海の竹島周辺で毛皮や食用に大規模に捕獲された。1950年代以降、捕獲、目撃の記録がなく、絶滅したものと考えられている。
ニホンアシカの剥製標本としては国内では珍しい。国外には、オランダ国立自然史博物館に江戸時代に来日したドイツ人医師シーボルトが持ち帰ったものが3点収蔵されているほか、大英博物館に毛皮標本1体と頭骨4点があるのみで、世界的にも非常に貴重な標本である。
本標本は1886年(明治19年)2月に島根県八束郡美保関町で捕獲されたもので、以来島根師範学校に保管されていた。若い雄で体長120cm。