隠岐馬は、奇蹄目の日本馬の一種で、体高が低い隠岐在来の矮小馬である。足は細く、蹄が強いため蹄鉄を打たなくてもよく、首は太く、たてがみは直毛で弾力があり、毛色は鹿毛(茶褐色)や青色(純黒色)が多かった。また、神経質で性急にして怒りやすく、ややもすれば人を噛んだり、蹴ったりすることもあり、御しがたい性質の馬であった。
しかし、1899年(明治39年)と1936年(昭和11年)の2回にわたる日本馬政局の馬政計画の実施により、隠岐馬の雄はすべて去勢され、絶滅したものである。
隠岐馬の骨格標本としては国内で唯一のものである。 本標本は、1888年(明治21年)3月、松江市にあった獣医学講習所において、家畜解剖学研究のため、獣医佐藤清明氏の手により解剖、組み立てられ、以来、島根師範学校、教育学部に受け継がれた。12才の雄馬で、生体の毛色は青、丈は1m18cmであった。